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  • 執筆者の写真Emi Norimatsu

椿姫、終演いたしました


広島大学の創立75周年&サタケメモリアルホール開館20周年記念の椿姫、たくさんの方々の多大なお助けの元、無事幕を下ろすことができました。

終演から1週間、これまでになくぼんやりと余韻に浸りながら稽古場ロスを味わっております。


わたくし、初めてお仕事としてオペラに参加したのがサタケメモリアルホールの柿落とし公演の椿姫でした。ということは、オペラを始めて20年。。。20年前は、ヴィオレッタのアンダースタディをさせていただきました。

相手役のアルフレードは、今回と同じ!原田康夫先生です。今回、92歳のアルフレード。

まさにギネスに残る最高齢でプリモテノールを演じられた記念すべき公演になったと思います。

原田先生ご本人とお話ししているとご年齢を忘れてしまうほどお元気でいらっしゃるのですが、そうは言ってもお身体は92歳。ご体調にご無理がかかり過ぎないように、共演者、スタッフの皆さんが一丸となって、先生の舞台を支えるという愛で一つに結びついた稽古場でした。稽古場の一風景です。先生の元にみなさんが集まられてサポートされる姿は、いつみても心温まる光景だなぁと思いながら参加しておりました。


ヴィオレッタ役は私の中でも最愛であり難易度の高い役です。

役として様々なことを試行錯誤しながら、先生をお手伝いするために最善のやり方を常に探しながら稽古を進めてまいりました。

ぽんこつなわたくしの脳みそは常にオーバーヒート状態でした(笑)


指揮の林先生、演出のもり先生はもちろん、舞台スタッフの方々、共演くださったキャストの方々、愛くるしい広大生ちゃんたち、ヴィータ◇ムジカーレ◇合唱団のみなさん、オーケストラのみなさま、全員が「原田先生のために!」というひとつの目標に向かって作り上げて行く空間は、とてつもなく優しくて温かい時間で、わたし自身も体力の限界ギリギリまで攻めてフラフラになりながらも、ずーっとこのまま終わらないでほしいような(笑)そんな時間でした。


1週間経った今も、まだその夢の続きを見ているような気がしています。


開演前、原田先生と!指揮の林先生、最愛アンニーナの森明子さんもご一緒に


ラブリー♡フローラの大野内愛さん♡

2幕2場では、わたしたち二人、すんっごく素敵なドレスを着せていただきました!実は二人とも20年前の柿落とし公演に関係していたという(笑) 当時学生さんだった愛ちゃんは全然私よりお若い方ですが、とても落ち着いて頼り甲斐のあるお姉さん!です。学生のみなさんたちのココロの支えでいらっしゃったことでしょう。 もちろんわたくしも稽古場はもちろん、楽屋でもたんまり笑わせていただきました。本当に愛らしい方です♡


稽古中、ずーーーっとココロの支えになってくださった特別大好きなお二人、ジェルモンお父さんの村田孝高さんと、最愛アンニーナの森明子さん!


お二人の周りの方々への温かい気遣いや愛の深さは、いつも感動ばかりでございました。

ご自身も目が回りそうなほどお忙しく大変な中を、常に穏やかに見守りながら、ぽんこつな私をも支えていただきました。

敬愛する先輩方でございます。


音楽に関わって生きる者として、自分のすべきことに没頭するのは当然ながら、それだけではダメなのだと、いつもわたくしの背筋を伸ばしてくださるお二人でございます。




わたくしのカワイイ男爵ちゃん(笑)竹内陸さん!

愛称バロちゃんとお呼びさせていただいておりました(笑) わたくしの最愛甥っ子と同い年、広大の大学院の学生さんです。

キャスト最年少ながら、重要な男爵役を任され、ご本人のたゆまぬ努力で素敵な男爵様役を演じられました。

今回の男爵は、とっても優しい性格の人、という設定で、竹内さんにぴったりだったというのもありますが、時にはアルフレードと感情的にバトルしてみたり、ヴィオレッタを優しく心配してくださったりと、役としてしっかり助けていただきました♡







歌い終わった抜け殻状態ののられった(笑)やっぱり最愛アンニーナさまが支えてくださるのですw

いつもヴィオレッタの側にいて、彼女のために涙し、喜びも悲しみも分かち合ってくださるようなアンニーナ。優しい森明子さんは、アンニーナそのもののような方です。今回は、アンニーナ役としてはもちろん、衣装のスタッフとしてもろもろのお助けをくださりました。これから自分が歌いますという時に、着替えを手伝っていただいたり、ぽんこつなわたくしを心配して水分補給を促してくださったり、本当にお世話になりました。

奥にいらっしゃる演出のもりてつや.さんの舞台への愛、作品への愛が満ち満ちに溢れた舞台だったと思います。原田先生への手厚いサポートのための試行錯誤の連続、ご家族も含めてこれ以上ないほどお世話になりました。ありがとうございました!もり先生と二人で写真をとる余裕が最後までなかったのが悔やまれます!!!



開演前に謎テンションになったマエストロ&ヴィオレッタは謎表情で写真を撮られましたw

今回尋常ならざるハードな稽古内容をベテラン勢に気を遣いながら懸命にひっぱってくださったココロ優しく愛くるしいマエストロ。感謝でございます。オペラ全幕の指揮デビューとなられた今回の公演、懸命に共演者に寄り添おうとしてくださるお気持ちがひしひしと伝わる優しいお人柄に癒され続けました。


素敵な人の周りには素敵な人が集まる。

そのままを体現されているような原田先生、あらゆる意味で超人でいらっしゃいます(笑)

そんな人の輪の中に参加させていただき、私には勿体無いほどに幸せな時間でございました。

どうかこれからも私たちを励まし引っ張っていっていただきたいと願っております。


終演から数日、帰宅後すこし経ってから、レッスン室の窓を開けると、外庭に雑草の中で1輪ミニバラが咲いているのを見つけました。しばらく外庭の手入れをする余裕もなく、防音室の二重窓を閉め切って忘れている間に、鉢植えにも雑草が入り込んでしまっていたようです。

ここ数ヶ月、普段の慌ただしさに振り回されてこの鉢植えのように色んな雑念がもじゃもじゃ生えてきていたんじゃないかなぁと思い返しています。音楽以外のことを考えざるをえない時間が増えてきて、音に誠実に向かい合う時間から目をそらそうとしていた自分のココロを、神様はやっぱりお見通しだったんだなぁと思います。他に目を向ける余裕もないほど必死だった数週間、舞台という目標を愛いっぱいで一緒に乗り越えようとしてくださった方々と過ごせた時間は、本当に幸せな時間だったと思います。

ぽんこつな私が雑草まみれになって気が付かなかったとしても、ちゃんと音楽の神様の愛は私を見捨てずそこに存在してくださっていることが、うれしくて、ちょっと泣きました。


敬愛する先輩方にとっても、愛らしい若人たちにとっても、これからの音楽人生が神様に祝福され続けるものでありますように。

わたしは、まずは鉢植えをきれいにお手入れして、気持ちを切り替えて次の役への準備を始めたいと思います。

さて、今年は、最愛の蝶々さんとロザリンデさんに変身させていただきます。彼女たちと過ごす時間を幸せ!と思えるように、楽譜と向かいあおうと思います。



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